人生もお金も海外分散する話

日常生活、海外生活、資産運用など思いつくまま語るブログ

丸投げする人々

ある知り合いが、保険会社の電話営業の仕事をやっています。ターゲットは、長年見直しされていない保険を持つ顧客。最初は警戒されるものの、内容確認ということで話を始め安心させ、そのうち、既存の保険を見直しませんか、と話を持っていく(会話の途中で先輩社員がカンペを出すそうです、次はこう言え、と)。結果、なんだかんだで、洗い替えした、あるいは新規の、保険契約が成立するらしいです。いとも簡単に契約が取れる、と話していました。そもそも営業の電話をする時点で、保険会社が儲かる内容の商品を勧める事が前提になっているはずですが、彼のソフトな語り口に、ああ、なんて親身になってくれるんだろう、と、だんだん心を許していくんでしょうかね。。

別の知人は、ブラック企業で名高いある建託会社に勤めています。相続税対策のためにアパート経営しませんか、と、高齢者に話を持ちかける仕事をしていると言っていました(おそらくは昨今話題のサブリース契約か)。この人もまた、人の良い印象で、会話も面白いし決して強引じゃないので、相手に安心感を与えます。

二人の仕事はいずれも違法ではなく、どちらも会社の仕事を真面目にきちんとこなしているに過ぎません。しかし、売っている商品は、必ずしも顧客の立場に立ったものとは限らず、顧客側が内容をよく理解しないまま契約に至っているケースも少なくないようです。こんな話は世の中にごまんとありますが、不思議なのは、投じる金額の大きさの割には、いとも簡単に相手を信じてしまうところです。人がいいんでしょうか、ただ単に大金持ちなので気にしていないのでしょうか。

他にも年齢などいろんな理由が考えられますが、その一つに、顧客側の甘えがあると思います。至れり尽くせりな顧客サービスを享受する環境に慣れ切ってしまうと、自分の頭で考えたり自力で何とかしようとする能動的なスキルがどうしても弱まってしまうんでしょうね。それで、相手に丸投げしてしまう。かく言う自分自身にも思い当たる節があり、苦い経験もありますが。。

証券会社で高い手数料を取られるラップ口座については、初心者は何を買っていいかわからないから、資産状況を見て適切なアドバイスをするのだ、と金融機関は言っています。つまり、2-3%の高い信託報酬は相談料・手配料ですが、顧客側がそれをわかって払っているなら、何の問題もないと思います。例えば、自分で手配して旅行するより、多少割高でもパッケージ旅行がいいと言う人もいますし、お金で時間を買うという考え方もあります。でも、余分なサービス料を払って、得るものが少なかったら目も当てられませんね。さらに、短期のパッケージ旅行とは違い、金融商品は長期で持つ分、何かあったところで、未来は誰にも予測不可能ですから、と言い訳出来るところが、より売る側に分があるのではないかと思います。