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高齢者の地方移住政策

私がたまに通っている小料理屋で、女将がこんなことを言っていました。お客さんを見ていると、50歳を過ぎた頃から、”億劫”という言葉が頻繁に出るようになる、と。

年を取ると、融通も利かなくなるし冒険もしなくなる。地方への移住に興味があるのは実際には若い人が多い。自分の周りを見ていても、年を取ってから田舎への移住に興味がある人なんて見た事がない。田舎がある人でも、将来自分の生まれ育った街に帰りたいという声はあまり聞かない。東京での暮らしを確立し基盤を作った人たちが、おいそれと地方に向かう訳がない。漠然と、田舎暮らしへの憧れを持っている人はいるかもしれませんが、地方の濃厚な人間関係を一度経験すれば、気持ちだって変わってくるでしょう。

私は地方出身者なのですが、東京と地方の決定的な違いは、人にあると思います。極端な言い方になってしまいますが、多様な考えや文化を受け入れ寛容な文化を築いた東京で暮らす人達は、気持ちが若くて自由な心を持った人が多い。何か新しい事に興味を持って始めようとしたとき、どこかしらに属する場所が、機会がある。地方は、同じ価値観、同じ枠組みで暮らすのをよしとし、趣味を始めたくても所属出来る場があるとは限らない。移住してうまく馴染める人もいるだろうし、狭量な世界が息苦しくなる人もきっと出てくる。やっぱり東京がいいと言って戻ってくる人もいるだろう。高齢者が地方に移住するのではなく、方向としては逆、都会周辺に介護施設を増やす方が現実的ではなかろうか、と思うのですが。ここまで東京一極集中の世界を作っておいて、今更高齢者に出て行けったって無理でしょう。

・・まぁ、とは言え、日々介護が必要なほど衰えれば、どこで暮らしても同じかもしれませんけどね。。